5者のコラム 「学者」Vol.50

韓国の「司法改革」

韓国の新聞・朝鮮日報はこう報じています。

司法研修院の卒業生の未就業率は08年には36%だったが09年は44・1%に上がり昨年(44・4%)に続いて今年も3年連続で40%台を記録した。ロースクール(法科大学院)の卒業生が社会に出る来年の見通しはさらに不透明になっている。司法研修院の卒業生1000人に加え、司法試験に合格したロースクール卒業生1500人(合格率75%)が職場を探すことになるためだ。司法研修院の関係者は「来年の就職戦線はさらに『狭き門』になるだろう」と語った。弁護士業界も苦しい状況にあるのは同じだ。釜山地方弁護士会は、会員たちの福利厚生の向上のため過去10年間にわたって積み立ててきた共済基金(約30億ウォン=約2億2400万円)のうち相当額を取り崩し最近会員たちに支給した。「深刻な経済不況に直面しているため共済基金の取り崩しが必要だ」という会員たちの声が高まったため総会での決議を経て基金を取り崩すことを決めたという。(略)弁護士業界が不況にあえいでいるため、来月の大韓弁護士協会長選挙に出馬した候補者たちも弁護士たちの道徳性を強調した公約よりも衣食住の問題を前面に打ち出した公約を掲げている。同会長選挙に出馬した辛永茂(シン・ヨンム)、河昌佑(ハ・チャンウ)両弁護士は・新たに3000人の雇用を創出・若手弁護士の就職や開業を支援・老後に備えた弁護士年金の創設-を主な公約に掲げた。

司法改革の進展により苦況に追い込まれる弁護士が激増しているのは日本だけではないようですね。以前どこかで「韓国は日本の司法制度改革の失敗を目の当たりにして制度設計を改めた」という趣旨の話を聞きましたけれども、上記記事を見る限り韓国も同じような事態になっているようです。アメリカも酷いようですし「弁護士受難の時代」に国境はないのでしょうか。