質問力を上げる技法
田邉政弘編著「診察と手技が見えるvol1」(医学書院)はこう述べています。
1 開放型質問法(open-ended question)
患者さんが自由に答えることが出来る質問です(例「今日はどうされましたか?」)。1つの質問で様々な情報が得られ、患者さんの満足感にも繋がるという利点があります。他方、話がまとまらず間延びしてしまうことがある欠点があります。
2 焦点型質問法(focused question)
個々の症状や時間の流れなど特定の話題に焦点を当てる方法です(例「その頭痛についてもっと詳しく教えていただけませんか?」)。開放型質問法の延長線上に位置し、患者さんの訴えの曖昧な部分を明確にしていく意味があります。
3 中立的質問法(neutral question)
症状を離れて、唯一の答えを求める質問法です(例「ご職業は何ですか?」「ご兄弟は何人ですか?」)。背景事情などを広く尋ねる場合に用います。
4 選択的質問法(multiple choice question)
選択肢を提示して患者さんに選択してもらう質問法です(例「耳が聞こえづらいのは右ですか、左ですか?」)。患者の答えが要領を得ないときなどに用います。
5 閉鎖型質問法(closed question)
患者が「はい」「いいえ」で答える質問法です(例「今朝薬は飲みましたか?」。)診断に必要な情報を確実に得られますが、情報量自体は少ないものです。また多用すると医師患者関係がパターナリステイックに陥りやすく患者さんの満足度も低くなります。(11頁)
初期段階では相談者の言うことを柔らかく聞き、内容把握の深化に伴い距離感をつめていく感覚が良いのではないかと私は感じています。