買う理由・買わない理由
ネット上で流れてきた次のコトバが良くできていたので備忘録的に残しました。
迷う理由が値段なら買え。買う理由が値段ならやめとけ。
汎用性が高い良い言葉です。形式的に言えば言語的な技術が素晴らしい。真ん中に「理由が値段なら」という共通フレーズをおく。第1文の最後と第2文の最初を符合させる。第1文の最初(迷う)と第2文の最後(断定)を逆にする。高度な言語センスのある人の作成によるものですね。内容的にも人生の教訓となる素晴らしいものです。人生は選択の連続ですが、特に「買うべきか・断念すべきか」思い悩むことは良くあります。そんなときこの言葉は良い羅針盤になります。前段:迷う理由が値段なら買え。良いものは値段が高いものであることが通常だ。簡単には買えない。でも欲しいと思ったときに買っておかないと後で余裕が出来たときに買おうと思っても、もう買えないことが多い。どうしても欲しい、それを躊躇する唯一の理由が「値段」であるのなら無理をしてでも買うべきです。代金は工面して後で返済すれば良いのですから。後段:買う理由が値段ならやめとけ。バーゲンで「安い」と感じたときに衝動買いした経験は誰にもあると思われますが、それを冷静に振り返って「良かった」と思う人はたぶんいないでしょう。多くの人が当面必要でないものを「安い」という理由で買ってしまう。結果として大して利用もせずゴミと化してしまう。「買う理由が値段以外に見当たらない」のなら「買わないのが正解」なのです。弁護士が扱う法律問題も「買い物」が背景にあることが珍しくありません。なのでこういう警句(箴言)を身に付けて依頼者にアドバイスを出来ると良いですね。そのためには弁護士自身が経済的センスを高めるべきでしょう。