5者のコラム 「学者」Vol.126
訴訟進行上の心がけ
滝井繁男先生は最高裁判事も歴任された素晴らしい先輩実務法曹です。先生は作家和久俊三さんの実弟です。その滝井先生が言葉の花束を差し出しておられます。
1 書面の提出日は必ず守る。
2 書面提出日の3週間くらい前に案を作成し、1度寝かせる。もう1度書き直したものを依頼者に確認してもらう。それを更に寝かせて書き直す。
3 書面は読み手(裁判官)がその書面を読んでどう思うのかを意識して書く。
4 「…は明らかである」は使わない。明らかであるか・否かは弁護士が決めることではない。明らかである、はその主張について自信が無いことの証拠。
5 事実を並列的に書いてはならない。最も重要な事実に焦点を当てる。
6 弁護士はけんかの助太刀。怯むな。 7 裁判官でも「違う」と思えば行け。
8 法律の専門家である以上,依頼者のいうことを鵜呑みにしてはならない。
9 若い頃にお金を貰いすぎるな。 10 現場を厭う弁護士は何も分からない。
11 日々勉強しなさい。空いた時間に判例を読むなり勉強したりしなさい。
12 「これはおかしい」という感覚を大事に。そこから後は一生懸命考えなさい。
13 「おかしい」と思うのなら、判例とは何が違うのか・判例の射程はどうか絶えず考えなさい。
14 「最高裁だから正しい」のではない。
15 判例だろうと判決だろうと「本当に正しいのか」読み込んで考えなさい。
法曹実務家として熟読すべき珠玉の言葉たちです。肝に銘じましょう。