5者のコラム 「芸者」Vol.67

省略されているものは何?

水希さんは「銀座№1ホステスの心をつかむ話し方」(こう書房)で効果的に響く質問をするポイントとして「省略されているものは何?」と問うことをあげます。①<5W1Hを明確に>会話を盛り上げることは具体化することでした。そして質問には話の方向を意識しながら・思考が論理的にすっきりするように・交通整理をしていく役目があります。ここではまず何が起きたのかを話して貰うと相手の状況が理解できますね。次に、誰に何を説明しなくてはいけないかを話して貰うと一連のストーリーが見えてきます。②<比較対象の顕在化>「もっと」「良い」「悪い」など何かと比較する言葉が聴こえたら質問するポイントです。「どんな点でそのお店は「もっと良い店」なのですか?是非紹介してください。」この質問でお店の名前や所在地だけでなく、そのお店の素晴らしい点ま で話して貰うことが出来ます。勘の良い方ならお気づきでしょう。「素晴らしい点」を話して貰うと相手の価値観もついでに引き出せますよね。③<判断基準の共有>私たちは明確な基準や根拠もないままに判断し、あたかもそれが真実であるかのように話をします。しかし本人のはっきり意識していない基準や根拠を質問を使って話して貰うと新しい展開が生まれます。判断した根拠を明らかにしてゆくと相手の価値観や信念に話が及びます。④<名詞に動きを付ける>名詞化されると動きが無くなります。1つの言葉(名詞)の背景にはたくさんのことが隠されています。具体的にイメージできるように、省略されて隠された相手の背景を探すと会話が盛り上がってゆきます。(133頁)
 銀座№1ホステスさんはとても優秀な反対尋問技術者ですね。弁護士が法廷で反対尋問を実践する際も<5W1Hを明確に><比較対象の顕在化><判断基準の共有><名詞に動きを付ける>という手順で組み立ててゆくと深い尋問が出来るかもしれません。 

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