極楽の中の地獄
メディアワークス「もう家には帰らない・さようなら日本一醜い親への手紙」(主婦の友社)には以下のような投稿が満ちています(句読点は若干補正)。
1 あなたたちは私に恵まれた生活を与えているつもりです。しかし、私には地獄です。高2の時、手首を切ったのを気づかないふりをしていましたね。学校でいじめられていたときもそのまま。あなたは世間にばれなければ、娘のことなどどうでもよかった。(中略)私は家族が大嫌いです。私の幸せを奪っているのに、それに気づかず勝手に私の人生を決めている。あと少しは「娘」を演じます。私が本当に幸せになる時はお人形から人になるときでしょう。そしてその時は私が死ぬときです。
2 私は親を憎んでいいということが信じられなかった。ずっとイイコで家族に幸せを運ぶのが私の使命だと思っていたの。だってお母さん、あなたは「私」という人格を認めようとしなかったから。(中略)私はあなたが憎いのに呪縛が解けない。あなたに幸せな老後を、という使命を達成できるまで、あなたから逃げられない。でもね、これだけは言ってあげる。「私」は生きてる。「私」はしあわせをつかむ。「私」はあなたのようにはならない。
3 僕は良くやったと思います。貴方たちの思ったとおりに10年くらいがんばってきたんです。小学6年の時に壊れたけど。僕は今医者に通っています。そこで僕という人間の人格を作る作業をしています。けれど14歳という年では遅いようで、作る場所も見つかっていません。あなたを好きでない僕は要らないでしょ?僕もお金だけくれればあなたは要りません。僕は絶対に子供なんか生みません。人形にもなりきれない僕が育てられる訳ないし。
私は易者29(2009年7月24日)において「地獄の中でしか見えない極楽」に言及しましたが、その逆も存在します。極楽の中に存在する地獄があるのです。