書記官と事務職員の腕の見せ所
フェイスブック上で某書記官さんの次の言葉に出会いました。
書記官という仕事に必要なものが3つあると思います。1つは他の法律家と同じように法的センス。もう1つは浅くてもいいので広範囲をカバーできる知識。そして最後に相手の希望・不満・病気等を察知する観察眼です。裁判官は公判や審尋等の際を除けば当事者と直接接触することはありません。期日外の対応は全て書記官が行わなければなりません。時には依頼している弁護士の苦情まで聞かされます。相手が何を望み・何が不満で・その不満をどうすれば解消できる方向へ導けるか、どうすれば調停を成立させて円満解決をさせられるか、そこが書記官の腕の見せ所だと思います。
上記要素を医療現場に擬えると看護師の仕事に該当します。優れた看護師は医療的なセンス・広範囲の知識・患者の希望や不満を察知する観察眼を兼ね備えておられるからです。ここから法律事務所の事務職員に必要なものを認識することが出来ます。1つは法的センス。実体的な法律知識そのものではなく手続の進行に伴って派生する問題点を察知し(例えば利害相反)可能であれば事前に回避できる本能的なセンス。2つは浅くても良いので広範囲をカバーできる知識。当該事務所で多く受任する分野で必要とされる背景知識や依頼者とスムーズに意思疎通できる話術。3つめに相手の希望や不満を察知する観察眼。相談や打ち合わせ等を除けば弁護士は当事者と直接に接触していません。その他の対応は事務職員が行っています。事務職員は依頼者と弁護士間のインターフェイスです。事務職員は弁護士の苦情まで聞かされることがあります。弁護士と依頼者のコミュニケーションギャップを埋めて依頼者を良き方向に導けることを求められます。