5者のコラム 「易者」Vol.153

孤独感・黙って傍に居る・弱ったときに示す態度

ラジオ深夜便「絶望名言」(NHK)の記述。

絶望した人が一番よく口にする言葉って「自分の気持ちは誰にもわからない」ってことだと思うんです。絶望って、やっぱりすごく個人的なものなんですね。つまり孤独ですよ。絶望するだけでも辛いのに孤独がもれなくついてくるんです(38頁)。絶望している人への接し方としてはゆっくり側にいてあげて、あまりせかさず、それでもときどきは連絡を取って「立ち直れそうになったら何時でも力を貸すよ」という形で側にいてあげるのが一番いいと思います(41頁)。病気のときとか弱っているときに、どういう仕打ちをされたかっていうのは、これはいつまでもその人の心に残るんですね。日頃いくら優しくしてもらっていても弱った時に冷たくされればもはや元のような気持ちでは付き合えないですよね。

上記3点は<深く傷ついている依頼者>と接する弁護士が心しておくべきこと。
1「実存的な孤独感」(世界と切り離された自分だけの問題性) 絶望が極限的に個人的なものだということは感覚的に判っているつもりです。問題はそれを依頼者(当事者)に感じていただけるだけの自分の内的な構えを作れているか否かなのでしょう。
2「黙って傍に居る感覚」(上から目線で語りすぎない) 以前、五木寛之氏の言葉を引用したように法律業務で大事なのは<がんばれ>と励ますイメージではなく<黙って>そばに寄り添うイメージなのだろうと思っています。
3「弱ったときに示す態度」(弱さに追い打ちをかけない) 弁護士の仕事は人が弱っている状態のときに接する仕事です。それゆえ「弱いときにひどい仕打ちをされた」という感情を依頼者に抱かせないよう弁護士は心を配りましょう。