仕事と家庭の葛藤・折り合わせる努力
映画「おやすみなさいを言いたくて」(2013ノルウェー他)を拝見。
(紹介)報道写真家レベッカは死と隣り合わせの中で写真を撮り続けている。彼女が精力的に仕事に取り組めるのは理解ある夫と子供2人のおかげだった。カブールの取材で自爆テロに命を落としかけた彼女が帰国すると夫は自分も含め家族が大変な状況になっているとして仕事を控えるように告げる。思春期の長女もレベッカと対立する。そんな中で長女がアフリカの難民キャンプを取材する仕事に同行することになる。事前情報では安全なはずだった、そのキャンプで突然の銃撃戦が始まり、2人は何とか脱出する。帰国後長女はしばらく精神的に不安定になる。事実を知った夫は離婚を言い渡す。が、長女が学校でキャンプの報告をする際に母の仕事の意義(世界の紛争や難民の真実を世界に伝えること)を述べてくれたことで、レベッカは救われ、仕事を続ける決意をする。(感想)仕事と家庭の両立という難題をジュリエット・ビノシュが見事に表現している。監督は元報道写真家エーリク・ポッペ。実体験に基づく葛藤を脚本の下書きにしている。仕事が順調でも家庭が大丈夫とは限らないし、家庭が順調でも仕事が上手くいくとは限らない。世界中の大人の永遠の課題。
弁護士が扱う「事件」において仕事と家庭の葛藤が含まれていることがあります。レベッカのように仕事自体に危険性が含まれている場合、その葛藤は高度なものでしょう。他方で弁護士の「私生活」も仕事と家庭の葛藤が問題になることが多々あります。受任している仕事自体に危険性が含まれているという側面も否定できません。両者を折り合わせる地道な努力や継続的な工夫が必要です。こういった努力や工夫こそが「世界中の大人の永遠の課題」なのでしょうね。