5者のコラム 「易者」Vol.99
ドストエフスキーの箴言
1 真実というものは実にしばしばあり得べからざるもののように見えるものである。(白痴)
2 いやまったく、人間の心は広いよ。あまり広すぎるくらいだ。出来ることならもう少し狭くしたいほどだよ。ほんとうに何が何だか判りゃしないよ。まったく!理性では汚辱としか見えないものが感情には完全に美と映るんだからなあ。(カラマーゾフの兄弟)
3 人間にとって、精神が自由でないということは、いかなる肉体的な欠乏にもまして耐えがたいものである。(死の家の記録)
4 パンさえ与えれば、人間はその前にひざまずくに決まっている。何故ならばパンほど否定できぬものは他に1つもないからだ。(カラマーゾフの兄弟)
5 世の中には、かなり奇妙なことに特別な喜びや興味を見出すという、おかしな性質の持ち主がいるものである。(スチェオアンコヴォ村とその住人)
6 利口な人間は本気で何ものかになりきることは出来ない。何ものかになり得るのはただ馬鹿だけである。(地下生活者の手記)