「自分への信頼」と「心の容量」
植西聡氏は「『カチン』ときたときのとっさの対処術」(ワニ文庫)で述べます。
繰り返しになりますが”カチン”ときたときに怒りを上手に消化するには「まず自分ありき」なのです。自分を信頼していれば考え方や行動も自然と自分中心に変わってゆくでしょう。”カチン”の原因は自分を否定されたという意識が無意識のうちに働くからです。逆に言うと誰に何を言われても自分を否定されたと感じない心を持つことが出来れば”カチン”とくることはなくなります。”自分は自分だ”という意識できる人は同時に”他人は他人”であることを認められる人とも言えます。そうすれば誰かが自分の望み通りの言動を取らなかったことに腹が立つこともなくなるのです。
かかる枕の上に植西氏は”カチン”ときたときの処方箋を述べています。
1 相手に好きなだけ話させる(相手が話し疲れるのを待つ)。
2 相手の言葉を繰り返す(自分の力を使わない・反応を見極める)。
3 相手の発言に質問する(質問形式は緊張した空気を和らげる)。
4 相手の発言をメモする(冷静にさせる効果と警戒させる効果がある)。
5 話題を変える(相手が興味を持つ話題にする・お世辞も効果的)。
6 適当に無視する(どうでも良い相手はこれに限る)。
7 ほめ殺しを使う(誉められて嫌な人はいない)。
8 冷静に反撃する(譲れない場面では自分の気持ちを整理し反撃する)。
”カチン”ときたとき毎に反撃を使っていたら疲れます。この仕事を息長くやっていくためにはまず自分を信頼すること。その前提の上で上記1ないし7の技術を駆使しながら相手に冷静に対処し心の消耗を出来るだけ少なくする必要があります。「心の容量」にだって限りがあるからです。