5者のコラム 「医者」Vol.33

破産と更生の違い

 私は裁判所から保全管理人代理に選任された弁護士です。報道のとおりこの会社は会社更生法適用を裁判所に申請し裁判所から保全命令が出されました。この手続は会社の更生ですから破産とは違います。少し譬え話をしますので聞いてください。皆さんが勤務しているこの会社には悪性の腫瘍が見つかりました。放置していたら近いうちに死んでしまいます。そこで会社は病院に入って手術を受けることになったのです。入院は2段階にわたります。まず検査入院をします。期間は3ヶ月です。この間に病巣の位置や大きさを確認します。それとともに体が手術に耐えられるかのチェックもします。病巣が大きすぎて手術に適しない場合や手術に耐える体力がないと認められる場合は、死亡するのを待って死体解剖を受けることとなります。これが「破産」です。しかし、病巣が大きくなくて手術の適応が認められ、かつ手術に耐えうる体力がある場合は本入院をして手術を受けることとなります。期間は1年程度はかかると思われます。手術内容は病巣の状態によって変わります。多くの場合に内臓の移植が必要です。生体間移植ですから生きている状態で臓器を移し替えます。相当の痛みを伴います。医師の技術と患者さんの頑張りが結合したときに移植は成功します。これを「更生」といいます。手術が成功してもリハビリが待っていることを忘れないでください。リハビリは10年くらいかかることがあります。リハビリが完了すれば元の生活に戻ることになります。こういう話をすると皆さん不安に感じられると思いますが心配のし過ぎはいけません。開き直った感じで前向きに治療を受けて頂く方のほうが医師も治療がし易いのです。入院するのは国立の病院であり最新の医療機器が揃っています。皆さんの手術を担当されるのは、この地域で最も実績を有しておられる名医の先生です。病院と主治医の先生のお力を信じ、皆さんの力を合わせて回復のために努力しましょう。

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