5者のコラム 「医者」Vol.115

死ぬときに「良かった」と思える意思決定

 大津秀一医師は「死ぬときに後悔すること25」(致知出版社)で末期患者が人生を終えるにあたって後悔していることをこう整理しています。
 1健康を大切にしなかったこと。2たばこを止めなかったこと。3生前の意思を示さなかったこと。4治療の意味を見失ってしまったこと。5自分のやりたいことをやらなかったこと。6夢を叶えられなかったこと。7悪事に手を染めたこと。8感情に振り回された一生を過ごしたこと。9他人に優しくなかったこと。10自分が一番と信じて疑わなかったこと。11遺産をどうするか決めなかったこと。12自分の葬儀を考えなかったこと。13故郷に帰らなかったこと。14美味しいものを食べておかなかったこと。15仕事ばかりで趣味に時間を割かなかったこと。16行きたい場所に旅行しなかったこと。17会いたい人に会っておかなかったこと。18記憶に残る恋愛をしなかったこと。19結婚をしなかったこと。20子供を育てなかったこと。21子供を結婚させなかったこと。22自分の生きた証を残さなかったこと。23生と死の問題を乗り越えられなかったこと。24神仏の教えを知らなかったこと。25愛する人に「ありがとう」と伝えなかったこと。
 健康関連が並ぶ(1から4)のは判りますが、それ以上に「自分は何のために生きてきたのだろうか」と問いかける言葉が多い。自分の夢(5・6)趣味や嗜好(14から16)異性や家族との関係(17から21・25)死後への配慮(11・12・22)思想や宗教への親しみ(23・24)等々。依頼者の大きな意思決定にかかわるとき、私はこう話してきました。「死ぬときに『あのとき決断しておいて良かった』と思えるような意思決定を今してください。ただし死ぬときに本当にそう思える決定であるのか?今は判りません。貴方の今後の生き様で決まるのです。」

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