5者のコラム 「芸者」Vol.50

本人訴訟増加の意味

 小林正啓弁護士はブログでこう述べます。
 1月12日読売新聞夕刊は表題の見出しで「10年前に比べて弁護士の数が約1・8倍に増加したにもかかわらず当事者本人が弁護士をつけない『本人訴訟』が地裁の民事裁判に占める割合が14ポイントも増え73%に上っていることが明らかになった」と報じた。「(弁護士増で)競争が生まれることで弁護士費用が下がり依頼がしやすくなる」筈だったのに「弁護士が報酬の低い仕事を避けている」(「裁判所幹部」)「(過当競争の弁護士は)採算の合わない仕事を引き受ける余裕がない」(「37歳の弁護士」)ために依頼しやすくなっていないと示唆し四宮啓弁護士の次のコメントで締めくくっている。「弁護士が支援すべきケース(であるにもかかわらず弁護士に頼んで断られた場合)がまだまだあるはずだ。弁護士は社会や市民に奉仕することが大きな使命。本人訴訟がなぜ増えているのか弁護士会としても調査すべきだ」。(略)しかしこの中には欠席判決(平成16年統計で18%)や期日が1回も開かれなかった場合(平成16年統計で8・6%)が含まれている可能性がある。さらに1期日ないし2期日で終了した裁判(平成16年統計で43・6%)の大半は請求認諾の事案と思われる。さらに4期日までで終了した12・9%の大半は事実に争いがなく和解に至った事案だろう。これらは何を意味するかというと被告が弁護士を依頼しなかった約55%のうち、おそらく大部分は被告に全く言い分のない訴訟なのだ。(略)われわれ弁護士はこの種の事件の被告から相談を受けたとき「弁護士を依頼してもお役に立てないし弁護士費用をどんなに安くしても明らかに費用倒れだからご自分で裁判所に行かれたらどうですか」とアドバイスすることが多い。(略)そして、このようなアドバイスをしても誰も困らない。(11/1/13)
 同感です。かような記事に提灯コメントをよせる弁護士の見識を私は疑います。

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