5者のコラム 「芸者」Vol.43

弁護士会における危機感の共有

 小林正啓弁護士は7月16日付「FRIDAY」を以下のとおり紹介しています。
 

弁護士の平均収入は2005年の約2100万円から2008年の約800万円になった(厚生労働省・賃金構造基本統計調査)。弁護士資格はあるものの実態はフリーターという若手が大量に生まれている(海渡雄一日弁連事務総長)。ネットカフェに寝泊まりして携帯電話一本で仕事をしていた若い弁護士さんがいる(宇都宮健児日弁連会長)。(略)廃業する若い弁護士がよく目につく(都内40代弁護士)。やや眉唾ものの指摘や裏付けを欠く指摘もあるし篠田恵里香弁護士の「決めポーズ」も意味不明だが、記事は概ね事実だろう。ただ1点「東京の弁護士登録料(会費のこと?)は月額5000円地方では2万円以上のところがある」という指摘は明らかに間違いだと思う。ちなみに私(大阪弁護士会)の弁護士会費は月額4万0800円だ。これ以外に一定事件については弁護士会への上納金があるから年額では50万円を軽く超えていると思う。地方では年100万円を超えているところもあると聞く。いろいろ感想はあるが「こんな日弁連に誰がした?」の著者という立場から2点だけ述べたい。1点はこの状況をもたらしたのは日弁連自身であること、もう1点は弁護士の間でさえ、この危機感の共有ができていないことである。(7月2日)

 弁護士の間でさえ、この危機感の共有ができていないというのは間違いです。危機感の共有がなされたからこそ従来の執行部路線を維持する候補(山本)が会長選挙で敗れ、その否定を前面に掲げた候補(宇都宮)が全国の総意として選出されたのです。かような経緯で選出された宇都宮会長が、マスコミや連合などによる「大量増員路線を受け入れたのは日弁連自身ではないか」という大合唱を撥ね退けて弁護士活動の危機的状態を乗り越える動きを示すことが出来るのか?まさに瀬戸際です。

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