5者のコラム 「易者」Vol.69

仕事場を綺麗に・楽しみながら仕事を

 昨年、大徳寺大仙院で尾関荘園老師の講話を拝聴する機会に恵まれました。年齢を感じさせない物凄いパワーを示されて、人生の意味を考え直す良い機会になりました。その尾関老師は「京古寺逍遙・大仙院」(清玄舎)で一転静かにこう述べておられます。

禅では「作務」と言って炊事やら掃除やらさまざまな業を行います。ただ、じっと座禅をしているだけが禅ではなく、お寺の周りの雑草を刈ったり落ち葉やゴミを掃いたり、白足袋で歩いても汚れないように廊下を雑巾がけしたりします。山水を表した庭は何時でも綺麗に掃き清め敷石の周りには雑草が1本も生えていないように日頃から努めております。(略)私は良く歌を歌いながら仕事をします。草むしりをしながら仕事をします。草むしりをしながら便所掃除をしながら廊下を歩きながら・いろいろな歌を歌います。鼻歌交じりに仕事をしていると不思議なもので、どんどん作業がはかどります。そして疲れはあまり感じません。本当に不思議なものです。何故でしょうか。それは仕事を義務と考えていないからです。「しなければならない」のではなく「やりたくてやっている」のだから自然と歌も出てくるというものです。やりたいことをやっているとき人は生き生きしています。それならば「仕事」とも遊んでみましょう。遊ぶと言っても、ふざけてやる気を抜いてやるということではなくて、楽しみながら行ってみようということです。(83頁)

 裁判所に向けて準備書面や弁論要旨を書くことだけが弁護士の仕事ではありません。事務所に来所される方(特に依頼者)が不愉快な思いをしないよう気を配るのも弁護士の大切な仕事です。そのために事務所を綺麗にすること・気持ちの良い空間にすることを私も多少は意識しています。私はたまに鼻歌交じりに仕事をしているようです。そういうときは全く疲れを感じていません。たぶん仕事を義務と考えていないときなのでしょうね。

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