5者のコラム 「芸者」Vol.119
キタ新地の方々から学ぶこと
キタ新地社交料飲協会は「ホステス心得帖-おもてなしの条件」という冊子を出しています。以下、弁護士から見て参考になるものをいくつかピックアップします。
1 男の最低の姿を見て全てを判断するな。男はその人が思っているほどに立派ではないがホステスが考えているよりは高級である。
2 何か将来のために稽古事をすること。リズムのある生活のためにも良い。
3 性格が誠実で素直でないと本当の美人には見えない。心の化粧も忘れずに。
4 今の収入は、一時的な特殊条件による、異常なものであることを認識すること。
5 自宅は何時来客があっても恥ずかしくないように。精神は部屋の片付け方に現れる。
6 毎月必ず貯金をして不時の支出に備えること。
7 毎朝、常に新聞やテレビ・ネット情報を気に掛けておくこと。情報や知識を蓄えて話題を豊富に持つことはホステスの義務である。
8 店を一歩外へ出たら、世間一般の常識人として通用する人間であること。
9 裏方の人たちに威張らない。人は自分より立場の弱い人に対する態度で値打ちが決まる。
10 40歳になったときにどうしているか想像してみる。そのときのための準備を心がけておく。誰の力も借りずに。たぶん誰も助けてくれないから。
顧客を不可欠とする水商売。明日の生活が保障されない自由業。「芸者としての弁護士」はキタ新地の方々から学ぶべき点が大いにあると私は考えます。