オフ・ザ・ボールの動き
中孝志弁護士はブログで次のとおり述べています。
修習生が就職活動をするについては、採用予定のない事務所への事務所訪問であったり、弁護士が飲み会をしているところへの参加であったり、就職に直結しないと思われる行動も実は重要である。弁護士同士はつながりがあるので例えば「こういう子がうちに来たいと言っているけど、中先生どう思う?」などと聞いて来られることがあるからである。数多くの弁護士に会い「この子はいい子だな」と思ってもらえると、口添えしてくれることがある。何で読んだのか忘れたが、ある弁護士が「採用予定はないけど事務所に遊びに来ていいよ」と言ったところ「採用予定がないなら無駄なので事務所訪問しません」と言ったドライな修習生が居たという話を記憶しているが、こういう修習生は他の弁護士からどんな子か聞かれたときに「いい子」だと言ってもらえる訳がないのである。サッカーでもオフザボールの動きが最も重要で、無駄な動きをどれだけ出来るかが大事なのと同じである。
修習生が先輩の事務所に入るのは全人格的な行為であり単なる損得勘定ではありません。過程で得られる全てが自分の肥やしになります。そんなことも理解できない底の浅い修習生をとるボス弁なんて存在しないと私は感じます。以上の記述は修習生に限らないこと。若手弁護士にも意識して欲しい。弁護士の仕事は全人格的な行為です。本業とその他の行動は深くつながっています。本業でないところ(オフザボール)でどれだけ良い動きが出来るか。役者さんと同様、スポットライトが当たっていないところでどれだけ観客の視線を意識しているかで弁護士の値打ちは決まると私は考えます。何故ならば観客は意外とスポットライトではなく舞台のワキの方を見ていたりするものだからです。業務に直結しない行動も実は重要なんですね。