蓄積された「邪気」を吐き出す
「玉の湯」の庭は独特。ほとんど雑木林。雑草も生えている。なのに美しい。雑木林は宿泊者が泊まる部分の間をも埋め尽くしている。これは溝口薫平さんが高校生のとき生物部で前職も博物館職員だったため自分の趣味に従って植栽したものだ。肥えた土では樹木は深く根を張らないので意図的に荒地の土を入れたそうだ。樹木の根は水分や養分を求めて深く根を張る。そのために強く成長して踏ん張りが利くようになる。雑木林の如き庭には溝口氏の哲学が込められているのであった(野口智弘「由布院ものがたり」中公文庫22頁以下)。良い旅館は良く眠れるしウンコも良く出る。仕事でたまった「邪気」のようなものを振り払うためには最適なのだ。(15/11/25)
上記文章をギャグとして読まれた方もいましたが、全然ギャグではなく、私としては真実を述べているつもりです。良い旅館で・良いものを食べて・良い湯につかって・良く眠って・良いウンコをすれば、積もり積もった「邪気」が除かれている気がするのです。職業というものは何らかの意味でストレスの種だと思います。特に対人関係専門職の人間は毎日の職務の中で「邪気」のようなものを長期間にわたって体内に蓄積させていると私は感じています。この「邪気」は何らかの方法で上手に吐き出していかないと当該専門職の心身を確実に壊しにかかってくると感じられます。吐き出す方法は各人が考えているのでしょうけれども一番有力なのが温泉です。北部九州では湯布院がベストだと私は思います。ストレスフルな対人専門職の方が酷い疲れを感じたら、是非とも由布院へどうぞ。自分へのご褒美として1年に1度くらい贅沢をしても神様のバチは当たらないでしょう。