公園は時に残酷な歴史を背後に潜ませている。小頭町公園の南端に昭和20年8月11日久留米空襲の慰霊碑がある。この辺りは空襲の被害が最も激しかったところなのだ。多くの日本人にとって桜花は「哀しい生命」の象徴である。桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる!(梶井基次郎)

南に足を延ばし桜町遊郭跡を訪れる。名前の由来である大きい桜の樹は「交通を阻害する」として数年前に伐採されてしまった。今では切り株だけが残されていてゴミの集積場になっている。悲しい風景。遊郭であったことを示すものは電柱に残された「桜町支線」という文字しかない。