5者のコラム 「医者」Vol.22
医療面接の要素
田邉政裕編「診察と手技が見えるVol1」(メディックメディア)の記述。
1 主訴・現病歴
受診理由となった症状とその経時的変化を聞く。開放型質問法で患者さんに主体的に話して貰い、焦点型質問法を併用して話が散漫にならないよう心がける。
2 解釈モデル 患者さんが自分の言葉で表現した病気についての考え方を聞く。
3 症状に関する7項目(LQQTSFA)
位置(Location)症状の起こっている身体的部位。質的内容(Quality)例えば患者さんが「しびれる」と言った場合、知覚鈍麻・過敏・運動麻痺のいずれかを具体化すること。量的内容(Quantity) 症状の強さや大きさなど。時間的経過(Timing)症状は何時始まったか・時間的経過でどのように推移したか。状況(Setting)症状がどんな状況で起きたか・そのときの状態。緩解憎悪因子(Factor)症状の緩解憎悪に拘わる因子(Tと重複することもある)。随伴症状(Associated manifestation)診断上の重要な症状。嘔吐・下痢の有無等。
4 既往症・家族歴・患者背景(中立的質問法で聞く)
既往症(入院歴・手術歴・輸血歴・薬剤使用歴・アレルギー歴・妊娠出産歴等)家族歴(家族構成とその病歴)患者背景(嗜好・運動・ストレス・職歴等)。
弁護士の初回相談でも上記手法はマネすることができます。初回相談では出来るだけ相談者に主体的に話して貰うこと・相談者が考える解釈モデルを頭から否定しないこと・自分が「法的に意味のある事実」として考える要素を細かく聞き出していくことです。