日本社会の40年のサイクル
大学生の時(1985年頃)ある講義で印象的な言葉を伺いました。
日本社会は40年周期で動いている。1865年頃に混乱の中で動き始めた日本近代化の波は1905年頃迄に日露戦争の際どい勝利によって1つの頂点を迎えた。しかし、その時の貯金を日本人は40年間にわたって使い果たし、挙げ句の果てに1945年の破滅を迎えた。戦後の日本人は一丸となって復興に励み現在は経済大国として頂点を迎えている。しかしこの経済的果実を日本人は今後40年間にわたって使い果たし、2025年頃に再び苦境に至るであろう。諸君は下り坂に向かう日本社会をこれから背負って立つことになる。山道と同じく登り坂よりも下り坂の方が難しいのだ。しっかり勉強してほしい。
私は1962(昭和37)年生。旺盛な住宅需要に支えられ職人の父は仕事に恵まれました。幼い頃の私は父の仕事のあり方を疑問もなく見つめ、幸いにも大学に進学することができたのですが、それが上り坂の日本経済の恵みを受けた奇跡的なことであったと認識し得たのは、大学で社会科学的思考を少し身につけた後です。教授の予言どおり、バブル経済の中で狂乱状態に陥った日本人は過去に積み上げた経済的果実を将来の備えをすることもなく蕩尽してゆきました。私は司試受験生として時間を過ごしながら日本社会が壊れてゆく様を呆れ顔で見つめていたように記憶します。
私が弁護士になって以降、日本は産業空洞化・少子高齢化・自然災害・国際政治力学の変化により苦しい局面を強いられています。が、教授の予言が本当に正しければ日本社会はもう少し経てば再び上り坂になるのです。悲観的観測をする人が溢れていますけど私は(無責任ながら)「心配するな・そのうち何とかなるだろう」(@青島幸男)と少し気を楽にしても良いのではと思っています。