顧客の話は最後まで聞く
蝶々さんは「銀座クラブは女の大学」(小学館101新書)でこう述べます。
男性の話はとにかく最後まで聞いてあげること。合間に適度な相づちを入れつつ、ちゃんと話のオチまでしっかりと。途中で茶々を入れたり、話の腰を折ったり「その話つまんなーい」とか絶対言わないで。最後まで聞いたら一拍おいてから感想を言えばいいのね。途中で飽きて半分ぐらい聞いていなくても、最後まで聞いてから、ちょっと考えてるふりを見せて「私もそう思う」と同意する。男の人の言うことを頭っから否定しちゃダメなんです。「ありえなーい」とか「ちがうちがう」なんてダメ出しされたら男性はカチンとくるだけではなく「この女は敵」って思いこむから女の子として見てくれなくなっちゃうの。反論するときこそ「うーんでもね?」と可愛いしぐさや声を忘れずに。「私は、それってお馬鹿さんだと思うわぁ」って恐ろしいバズーカを撃つときこそ天使の微笑みで柔らかく言ってみて。
初期の頃、私はせっかちで相談者の話を途中で遮ったり直ちに否定したりして最後まで聞かないことが多々ありました。しかし相談者の言うことを頭から否定してはダメなんですね。相談者の話は最後まで聞く。適度な相づちを入れつつ話のオチまで聞く。途中で質問を入れるのは良いけれど話の腰を折ったりはしない。最後まで聞き、一拍おいてから法的意見を言うようにする。早い時点で「法的に無意味だ」なんてダメ出しされたら相談者はカチンとくるだけではなく「この弁護士は自分の話を聞いてくれない」って思いこむ。そうするとその弁護士を信頼すべき専門家としては見てくれなくなるようです。相談者の言うことを否定する場合こそ笑顔で「条文はこうなっているんです」と優しい声で対応してね。「貴方の意見は不合理だ」って恐ろしいバズーカを撃つときには「裁判官はそんな主張は認めませんよ」って第三者的意見としての客観性を持たせてみて。