5者のコラム 「芸者」Vol.71
舞妓さんのキャリアパス
京の舞妓さんは次のような<キャリアパス>を経ることが多いようです(西尾久美子「京都花街の経営学」東洋経済)。
1仕込みさん(舞妓さんとしてデビューするまでの約1年間の修行期間。中学卒業後に簡単な手荷物だけで置屋に住み込み生活を始める)。2見習いさん(デビューする日が決まると見習い茶屋に毎日行き、お座敷の様子を見せて貰う。この実地研修の期間は約1ヶ月。この間は見習いさんと呼ばれる)。3見世出しから1年間(デビュー以降、舞妓さんとしてお座敷に出ることが出来る。1目で直ぐ判る化粧や髪型をするので何かと注目される)。4:1年後(いつまでも新人という風情ではつとまらず場に応じた受け答えが求められるようになる)。5:2・3年後(中堅から古参になり後輩の面倒を見るなど自分のこと以外にも目配りができるようになることが求められる。6:4・5年目(座敷で責任を持って場を組み立てて段取りが出来る様になることが求められる。専門職として責任が重くなる)。7自前さん(年季があけると1人暮らしを始め自分の花代で生計を立てるようになる。専門性を明確にし芸事を深める)。8廃業後(後継者を育てる置屋やお茶屋など経営者になることも多い。近隣地域で飲食業などを開業し自分の技能や人脈を生かすことも多い)。
一般的に言えば、弁護士は司試受験生(1)修習生(2)イソ弁の新人(3・4)中堅(5・6)独立(7)、ボス弁あるいはリタイア(8)というキャリアパスを通っていきます。舞妓さんと良く似ていますね。弁護士は舞妓さんから学ぶべきものも多いように感じられます。