■2021年05月19日(Wed) 学者 147
 田中靖浩「会計の世界史」(日本経済新聞)は概ね以下の内容です。
第1 簿記と会計の誕生
1 15世紀イタリア(銀行革命)為替手形の利用・利息の許容・スンマの出版
2 15世紀イタリア(簿記革命)商人たちが複式簿記で自ら記録を付け始めた
3 17世紀オランダ(会社革命)大航海時代と危険分散が会社制度を創造
第2 財務会計の歴史
1 19世紀イギリス(利益革命)蒸気機関と固定資産、減価償却概念が発生
2 20世紀アメリカ(投資家革命)監査役と会計事務所・株式市場の整備
3 21世紀グローバル(国際革命)人・モノ・金・情報の国際的移動と広範化
第3 管理会計とファイナンス
1 19世紀アメリカ(標準革命)大量生産・原価計算の開始・連結会計
2 20世紀アメリカ(管理革命)守りの財務会計・攻めの管理会計
3 21世紀アメリカ(価値革命)時価主義会計と将来利益・のれんの評価
 弁護士が日常的な業務の中でこれらの会計学的な見識を求められることは普通ありません。しかし会社更生や企業買収に携わったり、会社の監査役・公的法人の監事・地方自治体の監査委員などに選任され職務を遂行する場合は会計学の理解が不可欠です。法人の財務諸表を構成している各概念は素人に漠然とイメージされているような単純なものでは全くありません。各概念の前提となっている会計学的背景を理解していないと致命的判断ミスを犯すこともあり得ます。簿記会計は(私企業であると公企業であるとを問わず)経済活動の成果を表現する重要な「言語」です。言葉が通じなければ円滑な意思疎通をすることが出来ません。会計学も学ぼう。