■2018年12月28日(Fri) 役者 123
 「ログミー」で羽生さんが「3手の読み」について解説しておられます。
 今日はですね、棋士というのがどんな風なプロセスで思考しているのかということについて話をしていきたいと思います。一番その基本になるのが「読み」というものなんです。「読み」というのは展開を予想するとか・シミュレーションをする・先を読むということです。その一番最初の、なんていうんでしょうかね、基本中の基本というのはですね「3手の読み」というものなんです。(略)3手先を読めばいいんだから、簡単ではないかという話ではあるのですけれども、これがですね、意外なところに死角があるという風に思っています。それがですね、2点目のところなんですね。つまり自分がこうする・自分がこうしたいというところは自分の意思で決まるわけですけれども当然その相手とかあるいはいろんな物事の対象というものがあるので、それを予想しなくてはいけないということがあります。(略)ですから相手の立場に立って相手の価値観で判断をしないと正確な「3手の読み」というわけにはいかないわけなんです。この2点目のところで誤ってしまうと、その後に何十手あるいは何百手読んだとしても「勝手読み」といって、あまり読みとしては意味がないということになります。(引用終)
 役者57(12/5/29)で「離見の見」を取り上げました。舞台における2手目は見所(観客席)から見える自分を意識することです。主観を客観化・相対化すること。口で言うのは簡単ですが、難しい技です。いったん相手の立場に立って判断することをしないと良い舞台を作ることは出来ない。相手が何を考えているのかを正確に読めないと、その後どれほどの労力を使っても、読みとしては意味がない。2手目を読むのが難しい。相手が何を考えているのかを正確に読むためには相手に敬意を払い相手と同じレベルにまで達しなければならない。その上で、それを超える自分の差し手(3手目)を考えなければなりません。