■2018年10月05日(Fri) 医者 121
 前原哲博他編「帰してはいけない外来患者」(医学書院)には「病棟診療」と「外来診療」の違いに関する次の説明があります(2頁)。
                 病棟診療            外来診療  
主な目的          治療>診断          診断>治療
確定診断          ほとんどついている     ついていない
疾患の重症度       重傷が多い          軽傷が多い        
緊急性            高いことが多い       低いことが多いが一部救急例が存在
器質・非器質疾患     ほぼ器質疾患        約半数は非器質疾患
予想外事態への対処   すぐに可能          医療機関へのアクセスに時間が必要
マネッジメント        医療専門職が観察・治療  自宅に於ける患者・家族の観察行動に
                 管理を行う           委ねる        
診療時間           一般に比較的時間があり  一般に短時間で間隔も長い
診療の頻度         頻回に(毎日)可能      毎日行うのはほぼ不可能
 著者は外来診療の極意を「忙しい外来で・効率よく診断を絞り込んでいく・たとえ診断がつかなくても『帰してはいけない患者』を見落とさない」と要約しておられます。
 法律相談は病棟診療ではなく外来診療です。主目的は治療ではなくて暫定的な診断です。多くは軽傷の相談です。ほとんど緊急性の低いものですが一部に緊急例があります。症状の多くは非器質(主観的な)愁訴です。アクセスに時間がかかることが多いですし事後の対処を本人や家族の観察行動に委ねることが多いものです。制約があるにせよ、法律相談で社会的な命を救われる人は確実に存在します。緊急例を見逃さないことが肝要です。