■2018年01月11日(Thu) 芸者 113
 東京弁護士会「リブラ」(2017年3月号)に以下の記述があります。
 広告を出稿するときの流れを見てますと、まず広告の勧誘があります。そして広告を出稿し費用を支払って集客した上で弁護士が事件処理をします。最後に顧客から報酬を受領するということになります。が実際は広告の費用を支払ってから報酬の受領までかなりタイムラグがあります。通常の事件では頑張っても数ヶ月、半年くらいで解決できる事件というのは少なく、長ければ1年2年とかかってしまいます。業者に勧められるままに広告を出しますと、広告費用というのはバカにならないもので、月に数百万円場合によっては数千万円もかかることがあります。あっという間に数千万円から数億円単位の借金が出来てしまいます。そして借金は出来ても事件処理がなかなか追いつかないという事態になってしまいます。広告業者のほうでは大量に広告出稿するとともに、その事務作業が増えるから、では事務局やテレフォンアポインターを派遣しますということになり、広告とセットになって事務員が派遣されてきます。そうするうちに事務所の運営を広告業者に支配されるということになります。(19頁)
 私が仕事を始めた平成6年頃は弁護士広告が禁止されていました。広告が禁止されていたので弁護士の依頼者獲得手段は人脈に大きく依存していました。多くの弁護士にとり人脈を拡げる手段(ロータリークラブ・商工会議所・青年会議所・労働組合・宗教活動・公私の団体・PTA活動など)が大きな意味を持っていました(業界用語でいう「営業」)。
 弁護士広告が解禁されて業界は様変わりしました。大々的にテレビラジオのCM・新聞広告電車バス内の広告を仕掛ける事務所が目立つようになり、関東・関西の大事務所が九州の田舎に「どさ回り」に来ることも珍しくなくなりました。反面、こういう広告活動に伴う負担に耐えきれず破綻する事務所も少なくないようです。「非弁提携」と認識されたら弁護士生命は終わりになります。「モテ」に対する欲望に理性を破壊されてはいけません。