■2018年11月09日(Fri) 医者 122
 弁護士が「全てのことについて全てを知っている」のは不可能です(医者6・07/3/11)。自分が対処できない事案に接した場合にどうするかは常に考えておく必要があります。
 野田一成医師は「患者は知らない医者の真実」(デイスカバー携書21)でこう述べます。
 手術を外科医に委ねる内科医は自分の施設の外科医や外部の医療機関の外科医がどれだけの技量を有しているか把握しておく必要があります。この手術だと自分の施設で十分対応でき、あるいはこのケースは別の施設にお願いした方が良さそうだ、などという判断が出来なければなりません。自らの外科チームの実力を素直に評価し「この患者さんは別の病院に紹介した方がいいよ」と親切に助言してくれる外科医もいましたが「どうして他に紹介したのだ」と気分を害してしまう人もいます。外科医の性格や技量を正確に把握して、患者さんの状態にマッチする良い外科医を見つけ出すのは紹介する内科医にとって腕の見せ所です。
 特殊な事案を他の事務所に紹介する弁護士は、その事務所の弁護士がどれだけの技量を有しているかを把握しておく必要があります。このレベルの訴訟だと自分の地域で対応できるが、このレベルは別の地域の弁護士にお願いした方が良さそうだという判断が出来なければなりません。自らの地域の法律事務所の実力を素直に評価し「この依頼者は別地域の法律事務所に紹介した方がいい」と助言する場合は「どうして別地域の事務所に紹介したのだ」と気分を害してしまう人がいるかもしれません(「地産地消論」の方)。私も一般的事案は地域に根付いた弁護士のほうが良いと思いますが、特殊な事案では「スペシャリスト」と評価されている弁護士を紹介すべき場合が多いと感じています。特殊事案に精通したスペシャリストの性格や技量を正確に把握し、依頼者の状態にマッチする良い弁護士を見つけ出して事件を繋ぐのは紹介する弁護士にとっても腕の見せ所だと言わなければなりません。
■2018年11月05日(Mon) 5者122
 愛場大介氏はブログでこう述べておられます。
 ほとんどの道具というのは身体能力の増強や代替のためにあります。(略)それではインターネットはどうでしょうか?これは感覚器や四肢などではなく「脳」そのものを延長しているように思います。(略)そしてこれもまたクルマに似た万能感と密室性を得られるものです。(略)インターネットを通じて得られる万能感と密室性(匿名性)についてはクルマ同様ごく一時的な感覚でしかないです。ところがそれがもたらす行動が、後の人生に悪影響を及ぼす可能性については、クルマの運転の場合とちがって教習所などで教わることはありません。教わってないということは、それを顧みることさえ頭にない方々がほとんどかもしれないですね。(略)人生において、正義感や道徳観からの言動でさえ後で振り返れば間違っていたと感じるものは多々あります。誰でも閲覧できる公の場、しかもログが残る世界では、より一層気をつける必要がありますね。(16/8/22)
 クルマに乗っても身体が能力を増すわけではありません。なのに万能感と密室性を得られる魔力を有しています。同様に、インターネットを使っても脳が知性を増すわけではありません。なのにインターネットと繋がることで自分の知性が飛躍的に拡大したかのように勘違いする人が増えています。世界の情報を・一瞬にして得られるインターネットは神の視点を得るのに似ています。神の視点を密室で(匿名性を維持しつつ)得られるのです。勘違いするのも当然です。クルマに関しては教習所で運転技術とマナーを叩き込まれますが、インターネットは最初から高速道路を突っ走ることが簡単にできます。最近その恐ろしさをわきまえていないように感じられる人が目立ちます。ネット上でも、生身の人間が接するリアル社会と同じように、他者の存在を尊重し、謙虚に・誠実に振る舞わなければなりません。